シャクヤクの季節
- ナチュ コワンドゥ
- 5月17日
- 読了時間: 2分
更新日:5月19日
5月。
季節の移ろいとともに、いよいよ芍薬(シャクヤク)の美しい季節がやってきました。

ころんとした蕾がゆっくりほどけ、花びらを幾重にも重ねて咲く姿はまさに「初夏の女王様」。
そのたたずまいは気高く、華やかで、けれどどこかやさしさも感じさせてくれます。

花びらが幾重にも重なる八重咲きの芍薬や、
ふわりと軽やかな半八重咲きのものまで。
どの子も個性があり、そして何より——香りが格別です。

ふと顔を近づけた瞬間に広がる、やさしく華やかな香り。
見た目の美しさだけでなく、その香りにまで心を奪われる、
まさに「初夏の女王様」と呼ぶにふさわしい存在です。

レッスンでも、この時期ならではの芍薬を主役にしたブーケづくりをお楽しみいただいています。
咲き始めのころんとした可愛らしさ、咲き進むにつれてあふれ出すような華やかさ。
その変化を楽しめるのも、芍薬ならではの魅力です。
今年も、生徒さまがそれぞれの感性で芍薬を束ねてくださいました。
お気に入りの一輪を見つけて、それをブーケに仕立てる時間は、いつもより少し特別で贅沢なひととき。

短い旬だからこそ、この「初夏の女王様」に出会える今を、大切に味わいたいと思います。そして、品種にもよりますが、
満開を迎えたあとの芍薬は、まるで決めていたかのように、パサッと音を立てて花びらを落とします。
その潔さがまた、この花の魅力。
咲き誇る華やかさとは対照的に、静かに、凛とした美しさを残して去っていく姿に、ふと心を奪われるのです。